「『MIRAI』は良くて、水素ステーションはだめ?」
今回は、前回の最後に書いたお題についての答え合わせです。
結論を先に書いてしまえば、目立つリスクにだけ目を向けて身近で起きているリスクはスルーしているというよくある話なのですが、面と向かってそういう話を振られると、ちょっと対応に困るんですよね。。
「灯台下暗し」な「MIRAI」
水素ステーションが堅牢に作られている話は、前回書きましたが。そうは言いながらも、何があっても絶対に大丈夫、完全にリスクがない、とまでは言えないでしょう。
しかし、それは「MIRAI」をマンションの駐車場に置くのも同じこと。同程度かそれ以上のリスクをはらんでいることは、間違いないと言えます。
具体的に言えば、ブログ主が住むマンションの駐車場はエレベーター式の建屋になっており、地上50mの高さまで100台程度の車が積みあがっています。そして、この駐車場では「車載パレット移動時に、サイドブレーキをかけ忘れた車両が動いた事による照明接触事故」や「車載パレット移動時に、ロック不十分な車両の開いたテールゲートが別のパレットに接触し落下させ、他の車両を損傷した事故」が起きています。
そして、この事実から水素ステーション建設を危惧される方々が想像すべきなのは、もし「MRAI」が地上50メートルの高さから落下したらどうなるか、ということ。圧縮気体水素用のタンクはかなりしっかりした造りになっているようですが、絶対ではありません。もし、これが爆発すれば駐車しているガソリン車にも爆発が波及して建屋の外壁が吹っ飛び、居住棟にも甚大な被害が及ぶ…こう考えるのが、バランスの取れた考え方だと思うのです。
「MIRAI」の駐車は規制できない
では、「MIRAI」も水素ステーション同様に危険だから駐車させない、というルールを作れるかという話になるわけですが、これはおおよそ現実的でないと思います。
それは、一定の安全性が担保されて公道を走っている車について、危険だから駐車させないとすることに合理的な理由はないですし、これを無理押しすればガソリン車も同様の理由で駐車できなくなるうえ、EV車に至っては、一度発火すると数日間は特殊な薬液に浸さないと鎮火できないという現実からも目をそらせなくなるからです。
結局のところ、車がある便利な生活を望むなら、一定のリスクの受容は必要だと思うのです。
ですので、目につきやすいリスクのみを取り上げて過大に反応することは避けてほしい…そういうお話でした。