試乗して印象が良かった点、続きです。最後は『XC40 Recharge Plug-in hybrid T5 Inscription』に搭載されている「DCT」について。
印象が良かった点~「DCT」
まず、搭載されているDCTについて少し説明します。
『XC40 Recharge Plug-in hybrid T5 Inscription』に搭載されているDCTは、ボルボ社が自社開発した7速DCTで、1,3,5,7速はエンジンに接続し、2,4,6速はモーターに接続するという仕組みになっています。
DCTそのものは、加速する際に次に使用するギアを待機状態にしておくため変速スピードが速く、一時はトルコンのATを駆逐してしまうのでは、とまで言われたトランスミッションですが、低速で走行時にギクシャクするという弱点があり、ボルボも一旦は採用したものの、そのあとでトルコンのATに戻した経緯があります。
なので、ブログ主自身、DCTにはあまり良い印象を持っていないのと、専業メーカーのものではなく自社製のものということもあり、正直技術的な問題は残ったままなんだろうな、と考えていました。
ところが、いざ乗ってみてビックリ。低速でのギクシャク感は微塵も感じられず、変速ショックも意識しなければ気にならないほどに希薄。残念ながら理由はまったくわかりませんが(笑)、低速時に主にモーターで走行することが良い方向に影響しているのか、もしくはDCTの変速そのものにモーターが介入しているか辺りが一因ではないかと推測します。
唯一違和感を感じたのは、ゆっくり走っていてシフトアップした時に、モーターの最大トルクが瞬間的に乗っかるからか、ポンと車が前に飛び出すような挙動が出ること。ただ、極めて微かな挙動であるため、気にならない人の方が多いと思いますが。
あと、これは短い試乗時間のため高速道路に乗り入れできず確認できませんでしたが、巡航時にエンジンが高回転にならないかは気になるところです。というのも、ブログ主のXC40の8速ATは、80km/hに達する前に8速までシフトアップされ、120km/h区間ではそれなりに高回転になってけっこうな音がしますので。メルセデスベンツが日本国内では9速が使用できない、と言われているのとは違い、ボルボはローギヤードなセッティングがされていますので、ご自身で試乗される方は、その辺りを確認された方が良いかもしれません。